妊婦さんの母体が健康でなければ、やはり赤ちゃんも危険にさらされるようだ。
お母さんの体内には、毎日の食事の積み重ね、喫煙や飲酒などで毒素が貯まるとそれが赤ちゃんにいくので、なるだけ早く健康な食生活に意識して欲しいと思います。
食べ物の選択
例えばこれは厚生労働省の薬事・食品衛生審議会乳肉水産食品部会の資料のごく一部だけれど見てほしい。
〜厚生労働省ホームページより〜
マグロやクジラなど、食物連鎖の頂点にいるような魚を頻繁に食べると体内に水銀をどれだけ取り込むことになるのかが表になっている。
人体に有害な水銀が自然界にもあるけど、大きな魚が小さな魚を食べることで、小さな魚に蓄積されていた水銀が大きな魚に貯まることが繰り返され、最終的にそれを食べた私たちの体に貯まるということ。
この現象は他の食べ物でも同じで、食事をして食品添加物、農薬などが体内に入って排出されなければ、やはり赤ちゃんにいってしまう。
また、先ほどと同じ資料の注意事項としてこんな記述もある。
(一部だけを取り上げて、誤解をされないようにあえて全文を引用します)
多くの魚介類等が微量の水銀を含有しているが、一般に低レベルで人の健康に危害を及ぼすレベルではない。魚介類等は、良質なたんぱく質を多く含み、飽和脂肪酸が少なく、不飽和脂肪酸が多く含まれ、また、微量栄養素の摂取源である等、重要な食材である。
しかし、一部の魚介類等では食物連鎖により蓄積することにより、人の健康、特に胎児に影響を及ぼす恐れがある高いレベルの水銀を含有している。
このため、妊娠している方又はその可能性のある方ついては、魚介類等の摂食について、次のことに注意することが望ましい。
これまで収集されたデータから、バンドウイルカについては、1回 60~80g として2ヶ月に1回以下、ツチクジラ、コビレゴンドウ、マッコウクジラ及びサメ(筋肉)については、1回 60~80g として週に1回以下にすることが望ましい。
また、メカジキ、キンメダイについては、1回 60~80g として週に2回以下にすることが望ましい。
なお、妊娠している方等を除く方々はすべての魚種等について、妊娠している方等にあっても上記の魚種等を除き、現段階では水銀による健康への悪影響が一般に懸念されるようなデータはない。魚介類等は一般に人の健康に有益であり、本日の注意事項が魚介類等の摂食の減少につながらないように正確に理解されることを期待したい。
今後とも、魚介類等の中の水銀濃度及び摂取状況等を把握するとともに、胎児への影響に関する研究等を行い、その結果を踏まえ、今回の摂食に係る注意事項の内容を見直すものとする。
要約すると、全体として魚介類は体に良いので、妊婦さんと妊娠の可能性のある人以外は魚介類に含まれる水銀に過敏になって「食べない」ようにならないで欲しい。といったところだろうか。
ただ、これは平成15年のデータであり注意事項である。
海の汚れは急激に進んでいる。
今後、妊娠に関係なく一般人でも魚に注意しなければならない事態になってゆく可能性もあるのではと感じてしまう。
国によって基準は違う
さらに、国によっても【どれがどの程度危ないのか】っていう基準が違う
同じ資料のこの表をどうか見て欲しい
アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・ノルウェーの基準の違いがすぐに読み取れる。対象の魚の種類も違うし、ある国では「一日何食以内に」としているのに対し、別の国では「食べるべきではない」としている。
各国の専門機関の調査方法や研究員の意見、さらには水産業界の事情も含めての見解の相違によるのかもしれないが、国によって指導の基準が違っても、私たちが食べる魚の多くは輸入物であったり、世界の海を泳いできたものではないだろうか。
魚に行政の都合は関係ない。
食べるのは私たちなのだ。
(写真は本文と関係ありません)
情報の選択も必要
子育てサイトとか普通の育児本とかもいいけれど、普通の「売れてる本」や「読まれるサイト・ブログ」はウケのいい内容ばかりじゃないだろうか。
それらは売れなきゃ意味がないから当然だけど、読み手が不快に思うことはあまり書かれてない。
批判が来るのを承知で、信念をもって情報を発信してる専門家の言葉を読んでおいても損はないだろう。
また、いろんな国の基準を見てみるのもいいと思う。
その上で自分の健康管理をどの程度にするか考えればいい。
僕は食の専門家の端くれとして食べ物や水に気を配るように発信してきたけれど、完璧に有害なものを避けることはできないとも思う。
添加物や残留農薬問題が深刻な日本では特にそうだ。
口に入れるものが安全かどうか日々心がけるのと、そうでないのとでは、やがて雲泥の差が出るだろう。
それは、必ず自分の健康、家族の健康、新生児の体に直接影響する。
妊婦さんにならないとしても、有害なものを食べ続ければ結果は帰ってくる。
最後に
危険だとなんとなく分かっていてもはっきりとした科学的なデータ、すなわち証拠がなければ国も研究所の専門家もある食品について危険であるとか安全であるなど、なかなか言えません。
いや、証拠があっても言わないこともあるかもしれない。
例えば『野菜の〇〇に農薬が残っている場合が多く危険』とか、『〇〇に添加物が入っていて危険』などと、うかつに公表すれば、それらの販売量は激減し、製造・販売している業者から恐ろしい抗議が来るだろう。
政治家に働きかけて圧力がかかるかもしれない。
お役所はそうした事態をできるだけ避けようとする。
公の機関の正式な見解と併せて、世論や政治に束縛されない民間の自由な目線からの情報発信が、これからも重要になっていくのではないだろうか。
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